異国語とステータス

若者が、 人の知らないカタカナ語にかっこよさを見出す風潮は、 ぼくが
若いころからあった。

高校のころ、 洋楽を聴く生徒がクラスにぽつぽつと現われたが、 そこ
には欧米人への憧れと、 同世代が知らないことを知っているという優越感
が ちらついていた。

そうした萌芽は、 ぼくが子どものころからも すでにあった。

小学生の低学年のときも、 クラスにひとり 「 ぼく、 英語が書けるんだよ 」
と自慢する子がいた。

その子が これ見よがしにノートに書いていた英語というのは、 〝 UFO 〟
と〝 SOS 〟のみであったが……。

ところで、 最近海外で〝 由紀さおりブーム 〟なるものが起こっている。

ベテラン歌手の由紀さおりさんが、 昨年世界20か国以上でCDを発売し、 
デジタル配信もされ、 2011年11月のiTunesジャズチャート、 カナダiTunes
チャート・ワールドミュージックで一位を獲得したという。

シンガポール、 イギリス、 ギリシアなどでもコンサートチケットが完売する
ほど人気を博しているらしい。

TVのインタビューを受けた欧米人に言わせると、

「 英語よりも 日本語のほうがいいよね 」

どうやら海外の人で、 やまと言葉にかっこよさを見出す人もいるようだ。

◆この記事は、もうすぐ消滅するgooブログに、2012年3月8日に掲載したものです。

©2012 Daisuke Asaoka