表紙のイラスト解説 その4

全身六か所の骨折と脳挫傷を負い、寝たきりになる主人公のクルミ。
自分がどこに寝かされているのか。
ここが建物の何階なのか。
自分の身に何が起きたのか。
状況がまったく呑みこめない。
すぐそこに人の気配が……!

渋滞のクルミの代わりに 毎日売店でミネラルウォーターを買ってきてくれる、同室患者の亀ヶ谷さん。
売店の袋とおつりを クルミにさしだす。
亀ヶ谷さんはかつて薄毛から回復し、育毛を成功させた、髪に悩むクルミの先輩格だった。

交通事故に遭って意識障害があったことを確かめるのに、開示したカルテが役立った。
「こ・こ・は・ど・こ・で・す・か?」という呼びかけに、「スーバーです」などと答えたり、
見当識障害がある様子が看護師により記載されていた。
「中島らもさんが死んで悲しい」といった記録も。