リハビリテーション科(PT)

本日は『 アミューズメント・ホスピタル 』の第二話。リハビリテーション科
(PT)について。

PTとは〝 フィジカル・セラピスト 〟の略。一般に理学療法士と呼ばれて
います。

ベッド上で寝たきりの患者さんの体を動かし、廃用症候群を防いだり、 
リハビリ室で患者さんが平行棒内やさまざまな杖を使って歩行介助をしたり
します。

このエピソードは、すべてのエピソードのなかで一番最初に思いついたもの
でした。

『 オレンジ病棟 』 の打ち合わせのなかで、担当編集者さんにストーリーを
熱く語っている様子が、いまも録音テープに残されています。

『 アミューズメント・ホスピタル 』 は 〈 長編としても読める短編集 〉 ですが、 
短編集にはお決まりのお約束ごとがあると何かで読んだことがあります。

それは 〈 いちばん自信のある話を第二話に持ってくること 〉 です。

ぼく自身が元理学療法士でしたので、この話を第二話に持ってきました。 
( お気に入りのエピソードは 「 放射線科 」 と 「 歯科 」 ですが )

ストーリーは、ひょろひょろで気の弱い入院患者のおじいちゃんが、リハビリ室
で筋トレの特訓を行ない、筋肉ムキムキの怪物になっていくというもの。

某読書サイトで 「 非科学的だ 」と批判されていましたが、そもそも奇譚とは、
非科学的なものなので、そこを批判するのはナンセンスだと個人的にはおもって
おります。
 
書いているときは、実際に筋トレをしながら書きました。

この話は一年以上、DL-Market様で無料で閲覧できるようにしてあったので、 
1800人以上の人に読まれたのであすが、そのあと筋トレとミステリーをかけ
あわせた本や、類似のトピックを扱った本が何冊も出版され、本が発売された
去年から、テレビの企画で筋肉ムキムキのおじいちゃんがやたらと取り上げられ、 
本を読んだ関係者がインスパイアされたのかなとおもいました。

お前の本なんて、だれが読むかい!

そう突っこまれるかたもおられるでしょうが、本というものは誰の手に渡るか分から
ないもので、実際に出版してみると、そのことを身を持って体験することになり
ます。

本を読まれた劇場関係者から、八千円ぐらいする紀伊国屋ホールでの舞台公演の
チケットが送られてきたこともありますし、ラジオ番組の司会をされているかたから、 
「 がんばってね 」 というお手紙を人づてにいただいたこともありました。

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◆この記事は、もうすぐ消滅するgooブログに、2015年10月25日に掲載したものです。

©2015 Daisuke Asaoka