僕の脳画像 その1
現在ぼくの脳画像を見ると、 脳室が拡大し、 脳が委縮している。
『 オレンジ病棟 』 のなかで、 主人公クルミが最終的な脳の検査結果の
説明を受けるシーンは、 実際に医師のコメントを録したテープを、 ほぼ
そのまま使用した。
SPECT検査に関しては、 明白に色で描出されるので 受けとめることが
できた。
だが、 MRIの画像。 脳梁 (のうりょう) のあたりに発見された軸索損傷に
ついては、 原稿を書いている時点では、 とても曖昧 (あいまい) に感じ
られた。
繊維の障害っていうのは写真には出ない。
なので、それを栄養とするまわりの血管がむくんでいることから
判断されるのだ。
軸索損傷と血管のむくみの相互関係に通じてないと、 ノンプロには
ちんぷんかんぷんである。
だが、 『 オレンジ病棟 』 を出版したあと、 損傷部がすべて吸収され、
その結果、 医師の解説つきであれば、 脳室の拡大と 脳の委縮が
素人目に見ても わかるようになった。