放射線科

本日は、私の自著『アミューズメント・ホスピタル』の第三話『放射線科』について。
ストーリーはこうだ。
音原病院のリハビリ病棟。
この病棟には、しばしば宗教勧誘の女がくる。彼女は煙たがられ、病棟のブラックリストに載っている。
あるとき、無類さんという元入院患者の男がやってくる。
無類さんは誰もが話したがる聖人君子で、本物の宗教家だった。
ある日、病棟スタッフと口論になったことから、無類さんは胸内に神さまがいることを
存在するため、放射線科でレントゲンを撮ることになるのだが……。
この話を考えた当初は、レントゲンに心霊が映るようにしようと思った。
だが、心霊より神が映るほうが面白いとおもった。
無類さんのモデルは、信仰心がある、ノルウェーのバンドa-㏊のモートン・ハルケットだ。
年をとったモートンという設定にしたが、すべての人を魅了するキャラクター像を壊したくなかったので、無類さんを書くときは、「老人」とは呼ばず「男性」という言い方にしたり、気をつけた。
クライマックスは、a-㏊の『The sun always shines on TV』という曲のPVの光と闇の
コントラスト。教会に射すあたたかな一筋の光のイメージから思いついた。
ちなみに放射線科の歌をつくるのは大変でした。
©2025 Daisuke Asaoka