歯科

本日は私の小説『アミューズメント・ホスピタル』に収録されている短編『歯科』について。
すべての短編の中でこの作品が一番のお気に入り。
ストーリーはこうだ。
音原病院内科医の岩本玄太は、医師であるコネで、同じ病院内にある歯科で、夜、治療をし
てもらう。
玄太の趣味は噛むこと。
小学生のとき、いじめられっ子だった玄太は、いじめっ子に噛みついて撃退。
以来、ものを噛んでいると、玄太は悪ガキをやっつけたときの興奮を思いだし、腹の底から勇気が湧いてくるのだった。
交番、国会議事堂、皇居などを噛むと、ぞくぞくすることを覚えた。
男と女、若者と年寄り、金持ちと貧乏人、善人と悪人、人にも噛むことで微妙な差異があることを知った。
この病院の歯科には、毎晩幽霊が出るという。
金縛りにあった玄太は、幽霊を噛むことで撃退できるのか!?
……というもの。
怖い話というよりも、『死霊のはらわた』のようなアクションホラーといった感じに仕上がっております。
そういえば、吉本芸人の西山工務店さんも、この『歯科』の主人公のキャラは好み、とレビューで書いておられた。
©2025 Daisuke Asaoka