第一回ブクログ大賞『オレンジ病棟』推薦コメント集

読書サイトであるブクログさんが、 今年最高の一冊を一般読者の投票によっ
て選出する書籍大賞 「 ブクログ大賞 」を設立し、 投票が行われていた。
2010年3月のことだ。
これは昨年ブクログさんで登録された登録数、 レビュー内容、 評価を総合し、
選ばれた各ノミネート作品のなかから、 読者の投票により決定するという
ものである。
大賞を 一般読者に委ねているところがいい。
そして、 どういうわけか 『 オレンジ病棟 』も 、 フリー投票部門に
ノミネートされていた。
フリー投票部門は、 新しい本の発掘を目的とした自由投票部門であるらしい。
残念ながら選に入らなかったが、 〝 推薦コメントの内容で 〟 決定する
とのことで、 とてもよく練られた推薦コメントが寄せられた。
この人かなりの本読みだなという方から、 飾らない文章を書かれる方、
まったく夢想だにしない、 名のある作家さんを引合いにだされる方。
それぞれの漢字や句読点のつかい方、 文章のリズムに、 その人の
息づかいが感じられ、 うれしかった。
以下、推薦コメント
• ネガティブだったりシリアスになりすぎることの多い闘病ものですが、本作は「はげ」を織り込み、ユーモアも満載で明るく読むことができます。なじみの薄い「高次脳障害」に関する記載も分かりやすく、多くの方に読んで頂きたい作品です。
• ただ病院で隣り合った縁という、赤の他人同士の人と人の絆に笑えて泣ける名作。行き場のない精神を抱えている人にも薄毛に悩んでいる人にも薦めたい。
• ひん死のけがを負いながらなぜ「はげ」のこだわるのかたかが「はげ」だけどそれをとことん執着する主人公には笑わされる。ハンディをもって生きていく人生も考えさせられるストーリーだった。
• 交通事故の後遺症を負ったマイナスが、必ずしも人生ではマイナスばかりではない!と思わせてくれ、読むと元気になれる本。軽妙なユーモアと心温まる優しさが印象的です。
• 生死の境を彷徨った挙句の後遺症。つらい交通事故体験だが、主人公はハゲ克服という「おかしな目標」に取り組む。そこに「生の実感」を見出す。悲惨な話を斜めに茶化して読者を笑わせるだけでなく、元気にもしてくれるからとても切ない。
• どうしても忘れられない小説ってありませんか?オレンジ病棟はそんな僕の一冊。なぜだろうか考えました。著者と僕の間には人としての優しさの定義が同じだったのです。やさしい人に会いたい、やさしい言葉に会いたいとき、やさしい笑いに包まれたいとき僕はオレンジ病棟を読み返します。
• 著者の人生を変えた出来事を描く。
• 誰もが遭遇する危険があるのに多くの人が無関心である高次脳機能障害に対する啓蒙本といえるでしょう。より多くの人に読んでほしい。重い内容なのに、思わず笑ってしまう箇所を随所に織り込み、読み易い文章に仕上げてあります。結核に苦しみながらも可笑し味を携えていた遠藤周作を彷彿させます。
• 病人で隣り合わせた他人同士のユーモラスで温かい絆。無理をせず、思い合いあえる、弱った心を抱えた普通の人たちの心の交流に、ほろりとしました。
• 読みやすく、暗い話になりそうなところを会話と禿げの話をうまく取り入れ明るく仕上げてるところです
• オレンジ病棟ってどんな病棟?道に迷ってる人、今つまづいて立ち止まってる人、悩んでる人にぜひ読んで欲しい。私はこの本でエネルギーをもらいました。文章も軽快で読みやすく、処女作という事で第二弾を期待してます♪
• 図書館でさりげなくイエローの綺麗な表紙の色に引かれ読んでみた本だったが、とても心に響くものがあり、優しい文章に心打たれました。現代社会に疲れている人におすすめです。
• 処女作であることを感じさせない安定感を感じました。誰の身の上にも起こり得る深刻な題材をテーマにした本書は、力まない、会話を中心にした軽快な展開でありながら、色んな苦難に立ち向かっている者に元気と勇気を与えてくれると思います。
• 事故にあった主人公の目線で書かれているのでこれからどうなっていくのだろうと主人公と共にドキドキしながら医療知識や病院の雰囲気を知れたのが面白かった。また表紙やタイトルのように全体的にさわやかな語り口で登場人物も面白かったので後味も良かった。
• 交通事故に遭って一命はとりとめたものの脳に障害を残す。真正面から取り組むと飲み込まれて潰されてしまいそうな状況。実際そうなりそうになる局面もあるが物語りは奇妙にも軽やかに進行する。物語のこの組み立てが主人公が苦しみの中から得る人生観と重なり説得力を与えている。
• 文章にテンポがあり読み始めから読者の心をつかみ、ぐいぐい引き込む力がある。読みやすく会話がリアルで描写は鮮明。読み終わった時「感謝」の気持ちが湧いてくる。自分にふりかかった災難をも受け入れて行く勇気もわいてくる。迷わずお薦めしたい。
素晴らしいコメントを寄せてくださった (コメント順に)
nby345さん、 2010konohanaさん、 izakitakeshiさん、
thunderbunnyさん、 ajyaさん、 kichiyukeさん、 naoandtanbeさん、
pichikyoさん、 nakahara33さん、 fknysさん、 workupさん、
sgothさん、 nt44さん、 green-leafさん、 nekopenさん、 takecbさん
Twitterで投票してくださった
kimimasa satoさん、 sabusonicさん
ほんとうに、 ありがとうございました。
自分のように まったくドラフト外の人間にしてみれば、 こうして
ノミネートしていただけでも感謝しておりますし、 たくさんの方に
推薦コメントをいただけたことを幸せにおもいます。
深謝。
そしてブクログさん、 ありがとう。