表紙のイラスト解説 その17(最終回)
本日は『オレンジ病棟』の表紙のイラストの解説を。

精神病棟のデイルームで エアロバイクをこぐクルミ。
何もない空間で毎日をすごすなか、 自分がこれまで
いかにいらない情報に囲まれて 日を送っていたかに
気づく。

中央に 巨大なくじらのオブジェのある公園。
ベンチで缶コーヒーを口に含みながら、 雑談するクルミと
鶴本さん。
「 障害の受容 」 のことで、 口論となる。

写真は 『 オレンジ病棟 』 のなかでクルミと鶴本さんが口論する舞台の、
モデルとなった、 くじらの公園だ。
うちから歩いて15分のところにある。
ちいさな子を連れた主婦でにぎわっていて、 なかなかシャッターチャンス
がなく、 いい写真が撮れなかったのだが、 右のほうがくじらのあたまで、
左すみに映っているのがしっぽ。
子どもたちは くじらの目玉から体内に入っては、 水を噴き出す穴から顔
を見せたり、 背中にあるすべり台をすべったりして遊ぶ。

夢の中。
階段の上からクルミを見下ろす、 赤い髪の看護師。
車にひかれ、 ICUで意識を取りもどしたとき、 悲しそうな目で
クルミを見ていた看護師だ。
彼女にかけられた言葉で、 クルミの潜在意識は大きく変わる。
ラクになる生きかたの糸口をクルミはみつける。

愛犬ミルティと未来へ向かって歩きだすクルミ。

上の写真は実際のミルティ。
2016年3月に天国へいった。
人間の言葉がわかる賢い犬だった。
◆この記事は、もうすぐ消滅するgooブログに、2012年8月8日、11月1日、4日、2014年6月10日に掲載したものです。
©2012 Daisuke Asaoka

